「長崎平和宣言」は、被爆者や有識者などでつくる起草委員会での議論をもとに長崎市長がまとめていて、2日、鈴木市長が記者会見で骨子を発表しました。
それによりますと、宣言では原爆症と闘いながら数多くの詩を残した福田須磨子さんの詩を使い、原爆の悲惨さや被爆者の思いを伝えます。
その上で、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や緊迫する中東情勢について触れ、「核兵器を使ってはならない」という人道上の規範が大きく揺らいでいることに危機感を表明します。
そして、核保有国や核の傘のもとにいる国の指導者に向けて核兵器廃絶へ舵(かじ)を切り、外交による平和的な解決への道を探るよう求めることにしています。
また、日本政府に対しては、核兵器禁止条約に署名し、批准することや、原爆が投下された際、国が定める地域の外にいた「被爆体験者」を被爆者として認定することなどを要請します。
鈴木市長は「一人ひとりが当事者意識を持って行動することを社会に向けて強く呼びかけたい」と述べました。