福岡県大牟田市にある「独立行政法人国立病院機構大牟田病院」で体に障害のある複数の入院患者に虐待が繰り返されていた問題で、福岡県は23日、会見を開き、病院から通報を受けた県内外の8つの自治体が障害者虐待防止法に基づいて進めていた調査の最終結果を公表しました。
それによりますと、最終的に虐待を認定したのは、県内外の5つの自治体で、看護師や介護職員合わせて4人による合わせて9人の患者に対する虐待が認定されたということです。
内訳は、性的虐待が6件、身体的虐待と心理的虐待がそれぞれ4件で、遅くとも2021年ごろから繰り返されていたとみられるということです。
こうした虐待は、療養介護病棟内のベッドの上や入浴介助中などに行われていたということです。
虐待が認定された職員の中には、コミュニケーションのひとつと考えていた人もいたということで、虐待の意図があったと明確に認めている職員はいないということです。
福岡県福祉労働部の山田晶子次長は「障害者への人権尊重の意識が欠けていたことは非常に遺憾で、発覚が遅れた病院の体制にも課題があった」という考えを示しました。
大牟田病院は職員全員に虐待防止の研修を行うほか、第三者委員会を立ち上げて原因究明などを進めていて、NHKの取材に対し「病院への虐待認定の通知が届いていない自治体もあり、全容が判明した段階で公表します」としています。