珠洲市では5軒の酪農家が生乳を生産していますが、地震で施設が被害を受けたほか、断水によって牛に水や餌を十分に与えることができなくなりました。
生乳の品質の基準を満たせなくなるなどして、どの酪農家も出荷できなくなっていましたが、一部で施設の復旧や水の確保が進み、検査でも基準を満たせるようになったことから、13日に出荷を再開しました。
このうち珠洲市若山町の酪農家、道下要治さん(50)は、15日、55頭の牛からしぼった生乳を出荷用のタンクに入れていました。
道下さんは1月1日の地震から出荷を再開するまでに、およそ10トンの生乳を廃棄処分しなければならなかったということです。
15日はおよそ600リットルを出荷したということですが、地震発生前の一日当たりの出荷量の4分の1程度だということです。
道下さんは「断水したため、牛は十分な水を飲めず、餌も食べられなくなり、やせていきました。もう無理だと思いましたが、協力してくれる人のおかげで水を確保できました。できることを一歩ずつやって前を向いていくしかないです」と話していました。