2020年3月、横浜市内の中学校に通っていた当時2年生の女子生徒が自殺し、遺族から「いじめが原因で自殺した」と訴えがあったことを受けて、市の第三者委員会が調査を行い、8日、報告書を公表しました。
報告書では、女子生徒に対して行われた、中学2年生の時の複数の男子生徒によるからかいと、別の生徒によるSNSでのやりとりができないようにした行為をいじめと認定したうえで「いじめやいじめによる孤立感が強く影響して自殺したといえる」として因果関係があったと指摘しています。
また、相談を受けていた学校側について、女子生徒の情報は学校の「いじめ防止対策委員会」で共有されていたもののいじめとして認知されなかったことや、いじめについての確認を複数の生徒を一度に集めて行うなど対応に問題があったと指摘しています。
一方、市の教育委員会については、生徒が自殺したあと学校側が行った基本的な調査の報告書案から「いじめ」という文言をすべて削除するよう指示するなど対応の経緯が誤っていたと厳しく指摘しています。
横浜市教育委員会の鯉渕信也教育長は「かけがえのない生徒の命を守れず痛恨の極みです。生徒とご遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げるとともに、おわび申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
いじめに関する相談は、文部科学省や各地の行政などの窓口で受け付けています。
文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」は0120-0-78310。
休日を含む24時間、通話は無料で対応しています。
また、横浜市の「学校生活あんしんダイヤル」は045-624-9081。
火曜日から金曜日まで、午前9時から午後5時まで受け付けています。
このほかの自治体の問い合わせ先も文部科学省のホームページで確認することができます。