フランスの高速鉄道TGVは26日、首都パリとフランス北部や東部などとを結ぶ3つの路線で信号機や線路のポイントを切り替えるためのケーブルの束が放火され、運行休止が相次いでオリンピックの開会式に向かう人や行楽客などに大きな影響が出ました。
一夜明けた27日、フランス国鉄はTGVのパリと東部を結ぶ路線は通常どおり、ほかの2つの路線は便数を減らして運行を再開しましたが、ダイヤの乱れは続き、全面復旧は週明け以降になるとしています。
TGVが発着するパリのモンパルナス駅では、武装した兵士が警戒にあたる中、列車の運行状況を知らせる掲示板で情報を確認する旅行者の姿が見られました。
運行再開にあたって、国鉄はおよそ1000人を動員するほか、上空におよそ50機の無人機を飛ばすなどして鉄道設備の監視態勢を強化しています。
一方、事件についてこれまでに犯行声明などは出ておらず、パリ検察庁は鉄道網の混乱を狙った組織的かつ計画的な犯行と見て引き続き捜査を進めています。