地震で大きな被害を受けた石川県の輪島市や珠洲市などの高齢者施設の多くで、今も断水や停電が続き、風呂やトイレが利用できず、衛生環境が悪化しています。
こうした状況の中、発熱など体調の急変で病院に搬送される人や、新型コロナなどの感染症にかかる人、それに、災害との関連はわからないものの、体調を悪化させるなどして亡くなる人も出ています。
一方、職員の中にはみずからも被災した人が多く、限られた人員で入所者のケアにあたらざるをえない状況だということです。
このままでは高齢者の命や健康を守れないとして、入所する高齢者を他の介護施設に移す動きなどが本格化しています。
ただ、受け入れ先が見つからず施設にとどまらざるをえない高齢者も多く、厳しい状況が続いているほか、職員一人ひとりの負担や疲弊の度合いも日ごとに高まっているということです。
厚生労働省は、全国の福祉施設から応援の介護職員などを募り、15日から被災した施設に派遣することにしていますが、復旧までに時間がかかることが想定される中、施設や職員をいかに支えていくかが大きな課題になっています。